心理学から見る人間関係

『人間関係がストレス』というかたは非常に多くいらっしゃいます。
職場の人間関係、近所付き合い、嫁姑、親子、兄弟姉妹、知人友人、最近ではママ友との付き合いなども挙げられます。
もちろん人間ですから、合う合わないはあるでしょうし、好き嫌いもあるでしょう。
しかし見えているその人は、その人の極一部だということを忘れてはいけません。
また、自分が思っている自分と、相手が思う自分も、違うのだという認識も大切ですね。
人は、誤解をされると非常に大きなストレスを感じます。
それは、自分が思っている自分と、相手が思う自分とのズレが生じさせるものです。
逆に、相手のことを誤解していることも、実は多いのではないでしょうか。

 

人は、「孤独でいたくない」という欲求があります。
他人の中にいたい、グループに所属したい、また、相手に認めてほしいと望んでいます。
また、他人から大切にされたいという欲求もあり、それはそもそも人間の内側に備わっているものです。
もちろん欲求の大きさには個人差があり、個人を大切にしたいという思想もあります。
しかし、人と交わりたいという欲求は、多かれ少なかれどなたにも心当たりがあるのではないでしょうか。

 

では、そのような欲求があるのにも関わらず、なぜ人間関係が上手くいかなくなったりするのでしょう。
それは、もちろん全く合わない相手もいますし、付き合うことが困難な相手もいますが、前述にもあるように、相手と自分の間にある受け取り方のズレがそうさせていることもあるのです。

 

例えば。
Aさんは、子供の幼稚園の役員を引き受けることになりました。
役員は各クラスから数名ずつ選出されて、その中には仲良くしているBさんやCさんもいます。
Aさんは、役員の仕事を楽しんでやろうと考えていました。

 

ある日、役員の集まりのあと、AさんはBさんとCさんをランチに誘いました。
しかし、Bさんが「今日は忙しくて時間ないからパス!時間がある人だけでどうぞ」と言って、帰ってしまいました。
結局、Cさんも「上の子が小学校から帰ってくるから」と言って帰ってしまい、Aさんも家に帰ることにしました。
Aさんは、ランチに誘った自分が「暇な人ね」と言われたような気持ちになってしまいました。

 

次の役員の集まりのとき、係りが違うAさんは行く必要がなかったのですが、前回のことも気になっていたので、邪魔しないように話し合いが終わるくらいの時間に顔を出しました。
Aさんを見つけると、さっきまでみんなと笑って話していたBさんが、「あれ?Aさんどうしたの?今日は来なくてもいい日なのに。何か用事?」と言って、帰り支度を始めました。
Aさんは「用事はないんだけど」と濁すと、「そうなんだ、じゃあね」とBさんは帰ってしまいました。
取り残されたAさんは、わざわざ来た自分が惨めな気持ちになり、Bさんが自分を避けているように感じてしまいました。

 

まず、Aさんの誤解は、最初のランチの誘いのとき、Bさんは他意なく「忙しくて時間がない」と言っただけで、Aさんに対する含みはなかったということ。
たまたまCさんも行けない状況で、ランチはできなかったけれど、決して行きたくないと言われたわけではありませんよね。

 

次に、それを気にしたまま出向いた役員の集まりでは、相手が自分に対して良い感情を持っていないかもしれないという気持ちだったことが、Bさんの態度の受け取り方を湾曲させています。
BさんはAさんを避けているわけではなく、たまたま帰るタイミングであったことをAさんが誤解してしまったということです。

 

このように、最初は小さな思い込みだったのもが、何かの形で裏付けられてしまうことはよくあることです。
人間関係において、不協和音が響いていると感じたときは、それが自分の思い込みなのか、確認をとって確実なことなのか、もう一度思い返してみましょう。